番組アイディアを映像化する技術の責任者、テクニカル・ディレクター

坂口 歩

Ayumi Sakaguchi
技術本部 制作技術部

制作チームの漠然としたイメージを可視化する

番組制作のスタート時は、漠然とした構想だったり、ざっくりとした計画であったりすることは珍しくありません。その制作チームがイメージしている番組を実現できるように具体化していくことが制作技術の仕事です。例えば、UEFAチャンピオンズリーグを現地から中継したいという要望があった場合、まず、番組規模や内容などを制作チームと打ち合わせます。中継にも幾つかの方法があり、実際に現地から東京まで映像や音声を送信する回線の選択が重要になります。また、実況や解説者が映像に登場しながらレポートを行うのか、それとも音声のみ東京へ送り届けるのか。さらには、現地での取材や素材の伝送方法等の内容も考えていかなければなりません。それらをすべて考慮した上で、技術プランの作成や中継車、機材、スタッフの手配を行います。つまり、どうすれば実現できるのかを技術的な面から可視化し、ディレクションしていくわけです。そのため、放送に関わるあらゆることを知っていなければ全体的な技術プランを組み立てることはできません。こうして様々な調整や手配が完了して本番に臨みます。

パラリンピックの放送について

2016リオ・パラリンピックの中継制作では、現地に1ヵ月間滞在し、国際放送センター(IBC)内にスカパー!用のスタジオと副調整室を一から構築しました。日本からの持ち込み機材と現地で借用したものを設置。その他のインフラ設備の整備、現地で配信・作成される映像を日本に送るための回線の手配も行い、放送が行えるように万全の準備を整えました。大会が開催され、パラリンピック専門チャンネルで放送が開始されましたが、特に大きなトラブルに見舞われることもなく、無事に最後まで放送を終えることができました。

どのような現場においても、技術チームの司令塔として一人で現場をまとめなければならないプレッシャーはあります。しかし、SPBCにはベテランの先輩も専門性に秀でた技術者もいます。協力やアドバイスもいただきながら問題を解決し、視聴者の皆さんが楽しめる番組が提供できることが、一番嬉しいことです。

4K制作技術の進展で仕事が変わる

2017年1月に、4K・HDR対応の大型中継車が導入され、これからの仕事は大きく変化していくと思います。4K/HDRを生かしたコンテンツ制作が進めば、業務の幅も大きく広がります。もともとSPBCには多彩なチャンネルの運用経験があり、制作技術の仕事内容もバラエティ豊かです。さらに、4K中継車の運用によって制作現場に直接関わる機会もさらに増えていくと思います。いつかは、自分で作ったプランを自ら制作できれば面白いなと思っています。なんでもチャレンジできるところが、SPBCの魅力ですね。